【北陸旅行記・最終回】震災後の輪島朝市へ|3年前とは違う景色に言葉を失った夫婦旅

夫婦旅

こんにちは、
今の自分と「好き」を楽しむ、
アラカンぼっちトラベラーのヴィオラです。

長く続いた北陸旅行記も、いよいよ今回が最終回。
お届けまでに時間がかかってしまいましたが、
ようやく皆さまにお話しできる日が来ました。

今回向かったのは、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市です。

※この記事は訪問当時(2026年6月中旬)の体験をもとに執筆しています。
道路状況や立ち入り可能な場所、店舗の営業状況は変わるため、
お出かけ前に自治体や公式サイトの最新情報をご確認ください。

能美市の宿から輪島へ

朝、能美市にある宿を出発し、車で輪島へ向かいました。

どのくらい走ったころだったでしょうか。

予想していたより時間がかかったのは、
慣れない道路を走っていたからだけではありません。
輪島へ向かう途中には、
道路や周辺の整備がまだ復旧・復興の途上にあると感じる区間もありました。

途中、休憩を兼ねて道の駅にも立ち寄りました。

けれど、これから目にする光景を思うと、
気持ちはなかなか落ち着きません。

せっかくの道の駅にもかかわらず、
ゆっくり楽しむ心の余裕はありませんでした。

能美市を出てから3時間以上。
私たちは、ようやく輪島に到着しました。

3年前とは違う輪島朝市通り

2024年1月1日に発生した能登半島地震と、
それに伴う大規模な火災により、
輪島朝市通りの大部分が焼失しました。

私たち夫婦がこの場所を訪れるのは、約3年ぶりです。

以前に見た、店先から元気な声が聞こえ、
人々が行き交っていた朝市の記憶。

その記憶と、目の前に広がる景色がどうしても結びつきませんでした。

あまりにも違っていました。

私たちは言葉を失い、ただ呆然と、
その場所を見つめることしかできませんでした。

しばらくして、私は夫に尋ねました。

「もう少し近くまで行ってみる?」

夫は何も言わず、静かに首を横に振りました。

これ以上、変わってしまった街の姿を見ることがつらかったのかもしれません。

私も、それ以上は何も言えませんでした。

帰りの車内に流れた沈黙

宿へ戻る途中、車内での会話はほとんどありませんでした。

テレビやインターネットを通じて、
被害の大きさは分かっているつもりでした。

けれど、自分の目で現実を見たことで、
ニュースの向こう側にあった出来事が、
急に重みをもって胸に迫ってきたのです。

どこか遠くの出来事としてしか受け止めきれていなかったこと。

そこには多くの方の暮らしがあり、日常があり、大切な思い出があったこと。

その事実をあらためて感じ、私たちの心には深い悲しみが残りました。

「付き合わせてしまってごめん」と言う夫

能美市から輪島朝市通りまでは、予想以上に距離も時間もかかりました。

帰り道、夫は申し訳なさそうに言いました。

自分が行きたいと思っていた場所に、
私を無理に付き合わせてしまったのではないか、
と気にしていたようです。

確かに、長時間の運転は疲れました。

道路状況に気を配りながらの運転で、
身体にも力が入っていたと思います。

それでも、私は輪島へ行ったことを後悔していません。

つらい光景ではありましたが、
自分の目で見たからこそ、初めて気づけたことがありました。

「知っているつもり」と「実際に見ること」は、同じではありません。

現地の様子を目にしたことで、
能登の復興をこれからも忘れずにいたいという思いが、
以前より強くなりました。

輪島朝市は歩みを止めていません

かつての朝市通りは、現在も復興への歩みを続けています。

しかし、輪島朝市そのものがなくなったわけではありません。

輪島市朝市組合の皆さんは、
各地で「出張輪島朝市」を開催しています。

また、輪島市内のワイプラザでは常設の出張輪島朝市が営業しています。

訪問や買い物を検討される場合は、
営業日などを輪島市朝市組合の公式サイトで確認してみてください。

現地の商品を購入することも、私たち旅行者にできる応援の一つかもしれません。

ただし、復旧工事が行われている場所では現地の案内に従い、
立入禁止区域に入らないことも大切です。

暮らしている方や作業をしている方への配慮を忘れずに訪れたいと思います。

行って後悔はなかった

今回の輪島訪問は、楽しかったという言葉だけでは表せない旅になりました。

胸が痛み、言葉を失い、夫婦で沈黙した時間もありました。

それでも、行って後悔はありません。

旅は、美しい景色やおいしい食事だけを楽しむものではないのでしょう。

その土地の今を知り、自分なりに受け止め、忘れないこと。
それも旅が私たちに与えてくれる、大切な経験なのだと思います。

そして、旅の終わりに夫へ伝えたいことがあります。

連れて行ってくれて、ありがとう。

私も輪島へ行くことができて、本当によかったです。

途中何度も中断した北陸旅行記を、
最後まで読んでくださりありがとうございました。

アラカンになった今だからこそ感じられる旅の時間を、
これからもヴィオラらしく綴っていきます。

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